博士後期課程への進学を検討されている方へhakasekouki

大学院創成科学研究科博士後期課程への進学を検討される際の参考としてください。

 

博士後期課程の紹介

 

博士後期課程修了生の声(ロールモデル)

 大学院創成科学研究科創成科学専攻(博士後期課程)はまだ修了生が出ていないため、その前身となる大学院先端技術科学教育部の修了生に、社会での活躍状況や博士後期課程に進学したきっかけなどを伺いました。

先輩方からのメッセージは、博士後期課程への進学を迷っている皆さんの参考になると思います。

先輩方からのメッセージ

安部 庄剛さん (2022年3月修了)

民間 化粧品メーカー 研究開発職(執筆当時)

1.プロフィール

2018年3月  徳島大学 工学部生物工学科 卒業

2018年4月  徳島大学大学院 先端技術科学教育部

      物質生命システム工学専攻 博士前期課程 入学

2019年3月  徳島大学大学院 先端技術科学教育部

      物質生命システム工学専攻 博士前期課程 修了

2019年4月  徳島大学大学院 先端技術科学教育部

      物質生命システム工学専攻 博士後期課程 入学

2021年4月  化粧品メーカー 入社

2022年3月  徳島大学大学院 先端技術科学教育部

      物質生命システム工学専攻 博士後期課程 修了

2.現在の仕事の内容について

 化粧水や乳液、美容液、クリームなどのスキンケア製品の開発を行っています。目標とする効果や使用感を出すために、多種多様な原料を組み合わせ、試行錯誤を繰り返しながら処方開発を行っています。その他にも、量産化に向けた検討や製品のPRデータの収集などの仕事にも携わっています。

3.博士課程・博士後期課程に進学したきっかけ

 最初のきっかけは、指導教員から「博士前期課程・博士後期課程の早期修了を目指さないか」とお声をかけてもらったことです。そこから、博士後期課程への進学を意識するようになりました。実際に、研究を進めていく中で、研究が上手く進まず苦しい思いをすることもあり、博士後期課程に進学せず就職することも考えた時期もあります。しかし、未知のことを探求することには楽しさ・やりがいがあり、また目指している研究者像に近づくには、今の研究をしっかりとやり遂げ、研究能力を身につける必要があると考え、博士後期課程に進学しました。

4.博士課程・博士後期課程に進学したメリット(現在の仕事、研究にどう活かされているか)

 博士後期課程で学んでいた専門分野は、化粧品の有効成分を選択する際に活かされています。分子生物学的な観点からメカニズムに着目して有効成分に触れられるため、他の人とは違う着眼点から開発に携わることができます。最も活かされていると感じているのは、専門分野の知識ではなく、調査能力や課題解決能力などのコア能力です。化粧品の製剤開発では化学の知識が必要となり、専門分野外の知識が必要となります。大学院時代に身に着けた能力のおかげで、専門外でも臆せず情報収集を行い、課題解決のために何をすべきか判断でき、対処することができていると感じています。この力は、仕事をする上で、分野や職種に関わらず応用の効く、どこでも活かせる力であり、博士後期課程に進学した大きなメリットだと感じています。

5.博士課程・博士後期課程に進学を考えている方へのメッセージ

 博士後期課程への進学は、3年という長い時間と金銭的な負担がある大きな選択です。しかし、博士後期課程で得られる経験と研究能力は唯一無二のものであり、将来の研究者としての可能性を大きく広げることができるチャンスでもあります。修了後はアカデミックだけではなく、民間企業や公的研究機関への就職等、活躍できる場は幅広くあります。博士後期課程への進学は不安なことがたくさんあると思いますが、迷った時は指導教員や博士後期課程の先輩に相談してみてください。自分のなりたい将来像をイメージし、その目標を達成するためには何が必要なのかを見極め、博士後期課程への進学を選択肢の1つとしてじっくり考えて、自分自身の進む道を決めてください。

 

                                                    

古賀 武尊 さん(2023年3月修了) 

徳島大学大学院社会産業理工学研究部生物資源産業学域 助教(執筆当時)

1.プロフィール

2018年 3月  県立広島大学 生命環境学部 生命科学科 卒業

2018年 4月  県立広島大学大学院 総合学術研究科

       生命システム科学専攻 博士課程前期 入学

2020年 3月  県立広島大学大学院 総合学術研究科

       生命システム科学専攻 博士課程前期 修了

2020年 4月  徳島大学大学院 先端技術科学教育部

       物質生命システム工学専攻 博士後期課程 入学

2023年 3月  徳島大学大学院 先端技術科学教育部

       物質生命システム工学専攻 博士後期課程 修了 博士(工学)取得

2023年 4月  徳島大学専門研究員

2023年 6月  徳島大学 社会産業理工学研究部 生物資源産業学域 助教

2.現在の仕事の内容について

 徳島大学社会産業理工学研究部の助教として、食品中の健康・治療を促進する有効成分に関する研究を行っています。超高齢社会の現在では、健康維持や、生活の質の向上が強く求められています。疾病の治療には、医薬品の開発が望まれますが、「医食同源」という言葉があるように、食事も医療と同じく健康を保つために重要であると考えています。食品成分には、健康増進や治療促進に寄与する物質が多く含まれており、世間に知られてない生物活性物質も存在します。私は、現在、アルツハイマー型認知症やアレルギーに有効な活性を示す化合物を、食品より単離、同定しています。そして、単離した化合物とその構造類似体を用いて生物活性を比較し、活性を発揮するために重要な構造を明らかにすることで、新しい機能性表示食品や医薬品候補物質の開発に貢献したいと考え、日々研究に取り組んでいます。また、研究だけでなく、最先端の研究内容や技術について、学生に教えていくことで、研究者の育成やサポートを行っています。

3.博士課程・博士後期課程に進学したきっかけ

 博士課程・博士後期課程に進学しようと考えたのは、当時の研究室の先輩方の影響が大きいと考えています。学部の3年生で研究室に配属された時には、3人の博士課程の先輩方がいました。その時から、博士課程という存在を身近に感じていたため、進学するハードルはそこまで高くありませんでした。博士課程の先輩方は、学位取得後もそれぞれの分野でとても活躍されており、憧れの存在でした。また、活性化合物を精製するという研究がおもしろく、その研究内容をさらに深め、自身で学術誌論文としてまとめて世界に発表できるというのも魅力に感じていました。さらに、奨学金制度があり、金銭的な負担を少なくできるのもきっかけの1つだと思います。

 4.博士課程・博士後期課程に進学したメリット

 博士課程・博士後期課程に進学すると、学会に参加したり、論文を作成したりする機会が増えました。そこで、いろいろな研究者の方とディスカッションしたり、その考えをまとめたりすることで、論理的思考力が身についたと感じています。また、何度も研究内容を発表することで、情報を分かりやすく発信する能力を養えました。そして、博士課程では、研究の行程を自身で決めて進めていくことになります。そのため、目標を達成するためのスケジュール管理や、体調、メンタルをうまくコントロールする力が身についたと思います。さらに、目標を達成し、博士号を取得した時は、困難を乗り越えることができたという自信につながりました。このような、論理的思考力や目標達成能力は、研究職に限らず、どの分野でも必要になるスキルだと思いますし、これらのスキルを得ることができた激動の博士課程の3年間は、いい投資だったと考えています。

 5.博士課程・博士後期課程に進学を考えている方へのメッセージ

 やりたい研究を、自分自身で考えて、自由に打ち込める博士課程・博士後期課程は、なかなか味わえない、大変貴重なものだと思います。やりたい研究がある人は、その研究の目標を達成するまでやりきることをお勧めします。博士課程の3年間の投資には、自身の頑張り次第で、様々なスキルや業績の取得といった大きなリターンがあります。時間は限りあるものなので、後悔しないように日々頑張っていってほしいと思います。もし、博士課程について悩んでいる人がいましたら、いつでもご相談ください。

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