生物資源産業学部は平成28年4月に設立され、令和6年4月に9年目を迎えました。また、令和2年度には大学院創成科学研究科生物資源学専攻(博士前期課程)が、令和4年度には同研究科創成科学専攻(博士後期課程)が設置され、学部から大学院までの一貫した教育・研究課程が整いました。
本学部設立の経緯に立ち帰ると、農林水産業(1次産業)を基幹産業とする徳島県において農学系の教育・研究組織がないことから、徳島県や県内経済団体等から地域に根差した農学系新学部設置の強い要望をいただいたことが、一つの契機となっています。そのため、本学部は「1次産業、食料、生命科学に関する幅広い知識と、生物資源の製品化、産業化に応用できる知識と技術を有し、国際的視野に立って、生物資源を活用した新たな産業の創出に貢献できる人材を育成する」ことを基本理念に掲げ、地域に貢献できる農林水産分野の人材を育成しています。
本学部は「応用生命コース」「食料科学コース」「生物生産システムコース」の3つのコースから成り、それぞれが理念の一端を担っています。学部発足以来、徳島県との交流人事や定年退職、新規採用など多くの人事異動を経て、互いの理念の捉え方に多様性を認めつつも、学部一丸となった基本理念の実践と「徳島大学VISION」の実現を目指し、日々研鑽を重ねているところです。
本学部の教育及び研究は、徳島市の常三島キャンパスに加えて、石井キャンパス(農畜昆虫系分野)、鳴門キャンパス(水産系分野)、新野キャンパス(林産系分野)で幅広く展開されている点が特長です。学部設置時に徳島県をはじめ産官学関係機関とのアグリサイエンスゾーン、フォレストサイエンスゾーン、マリンサイエンスゾーン連携協定を締結し、地域に資する研究・産業の発展を図るとともに、高大連携事業、技術指導等にも注力してきました。
21世紀の人類は、地球温暖化に起因する災害、マイクロプラスチック汚染、新たな感染症、人口減少、食料不足等多くの問題に直面しています。本学部で学ぶ皆さんや私達教職員は、生物資源に関わる最先端のヘルスサイエンス、フードサイエンス、アグロサイエンスをこれら諸問題の解決にどのように活用するのか考え、正しい判断ができるよう、人としての知恵を磨かなければなりません。
本学部で心身ともに充実した学生生活が送れるよう、教職員は皆さんに寄り添い支援いたします。将来自ら信じる道で夢を達成し、問題を解決しようとする意欲を持った皆さんと共に過ごすことを、教職員一同楽しみにしております。
徳島大学生物資源産業学部長